学校のいじめ教育は効果があるのか?弱いが確実に効果あり!メタアナ論文・科学的根拠

いじめ 学校【3歳~18歳】こども

今回は学校でのいじめ教育が効果があるのか?というテーマで論文を紹介します。
学校は子どもの重要な生活の場ですからそこでのいじめ対策も重要だと考えます。

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日本のいじめは世界と比べて多い?!

海外では実際に学齢期の集団におけるいじめの暴露率は10%以上であると報告(1)されるものや、他の研究(2)(3)では,いじめの発生率は20%から30%,あるいはそれ以上であると報告されているのもあります。

では日本のいじめの頻度はどうでしょうか?

2015年OECDの調査では過去一カ月以内の間に「何らかのいじめを受けた」という項目で、日本は54カ国中19位と上から3分の1ぐらいの位置にありました。日本のいじめは21.9%発生しているようです(4)図【いじめの国際比較】社会実情データ図録より引用

また、同調査で日本は、「頻度の低いいじめについては順位が低いが、頻度が高くなるほどいじめの順位が大幅に高くなる(5)」ようです。図表1プレジデントオンラインより

週一では世界5位になっています。これは執拗ないじめ件数では世界トップクラスの頻度かもしれませんね。

旭川の中学生いじめ自殺事件という悲しい出来事もありましたが、自殺を引き起こすほどのいじめは日本中で起こっている可能性があります。

こうした現状をみると日本のいじめは世界的にも少ないとは言えず、むしろ深刻ないじめは多い可能性があります。

日本においていじめ対策は重要な課題だと言えます。その一つに学校は外せないでしょう。

学校でいじめを防ぐには?

そこで今回のテーマである、2020年に学校といじめ対策について調べた研究を紹介します。

それは、医学系では絶大な影響力を誇るJAMAの姉妹紙であるJAMA Pediatrics誌から報告された2020年のスペインの論文です。

2020年までの学校のいじめ教育の効果をしらべたメタアナ研究

この論文はMeta-Analysisというデザインの論文です。
簡単に言ってしまうと沢山の同じような個別の論文をまとめて、結果や効果を考察するスタイルの論文です。
沢山の研究を一つにして解析するためエビデンスレベル、科学的根拠の質は高いと言われています。
詳しくはWikipedia 参照 メタアナリシス(meta-analysis)とは

Ovid MEDLINE,ERIC,PsycInfoなどのデータベースを用いて検索した。「いじめ」「学校」「介入」などの検索ワードで論文を検索しました。

34 798件の研究がヒットしました。
そこで
(1)学校でのいじめを評価したもの
(2)いじめ防止プログラムの効果を評価したもの
(3)ランダム化試験という研究デザインのもの
(4)結果を報告したもの
(5)英語で発表されたもの

以上の5つの条件を満たす論文を絞っていきました。

最終的に69件の論文から77の研究が採用されました。
合計の研究参加者は111659人になります。

学校のいじめ対策はいじめの減少に効果があった!

学校のいじめ対策はにいじめの減少に効果がありました。その他にもいろんなことが分かりました。

具体的には学校でいじめ教育を受けると
✔147人受けるといじめを1件防ぐことが出来る

✔207人受けるといじめの加害者を1人減らすことが出来る

✔140人受けるといじめ被害者を1人減らすことが出来る

✔167人受けるとネットいじめを1件減らすことが出来る

加えて、
✔いじめ教育の期間は関係なかった。
✔いじめ防止プログラムの効果は長期間の効果がある(30週以上)

以上の結果も分かりました。

では実際に学校のいじめ対策プログラムはどんなものがあるのか?次に解説します。

KiVaプログラム

有力な学校のいじめ対策プログラムとして、フィンランド生まれのいじめ対策プログラムKiVaというものがあります。
公式ホームページ:リンク

プログラムは義務教育期間の児童生徒を対象としており、主にKiVaレッスンとKiVaゲームから構成されています。KiVaレッスンとは、教室でクラス全員が一緒に参加し、いじめの構造についての講義を受けたり、実際にどんな行動がとれるのかをディスカッションしたりするというものです。KiVaゲームとは、いじめの場面を想定し、どう行動すべきかを考えるコンピューターシミュレーションゲームです。場面ごとに立ち止まり考えることができることや、相手の感情や考えが表示されることで現実には得にくいヒントが示されることなどにより、子どもが主体的かつ試行錯誤的にいじめへの対応の仕方を学ぶことができます。瀧本ゼミ:いじめにおける”傍観者”にアプローチする教育プログラムとはより引用(6)

今回紹介した論文の中にも記載があり、研究で好ましい効果が確認されています。詳しくは引用先が分かりやすいので一読をおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

研究者は学校のいじめ対策は小さい効果ではありますが、確実に効果のある方法だと述べています。

そもそもいじめ対策にもの凄く効果のある方法はありません。
そのようなモノがあれば、いじめはなくなっているはずですからね。

したがって、小さいけど効果のある方法を複数実施していくしかないと考えられます。

例えば親です。体罰であったり子どもとの関係がいじめを抑制する力を持ちます。また信頼できる仲間も大切です。
親が子どもに体罰をするといじめの関与が増える可能性がある

親子の関係や信頼できる仲間の存在がいじめへの被害を減らすかも

これらの対策をすべてすると子どもはいじめ加害にも被害者にもなりにくい可能性が高いです。それはいじめは連鎖する現象も関係するからです。

いじめの無い世界がくることを祈っています。いじめに関しては今後も記事を上げていく予定です。また、子育てに関する記事を他にも書いています。良かったら読んでくださいね。

引用論文

Fraguas, D., Díaz-Caneja, C. M., Ayora, M., Durán-Cutilla, M., Abregú-Crespo, R., Ezquiaga-Bravo, I., … & Arango, C. (2021). Assessment of school anti-bullying interventions: a meta-analysis of randomized clinical trials. JAMA pediatrics175(1), 44-55.

(1)Chester KL, Callaghan M, Cosma A, et al. Cross-national time trends in bullying victimization in 33 countries among children aged 11, 13 and 15 from 2002 to 2010. Eur J Public Health. 2015;25 (suppl 2):61-64

(2)Singham T, Viding E, Schoeler T, et al. Concurrent and longitudinal contribution of exposure to bullying in childhood to mental health: the role of vulnerability and resilience.JAMA Psychiatry. 2017;74(11):1112-1119.

(3)National Center for Education Statistics. Student Reports of Bullying: Results From the 2015 School Crime Supplement to the National Crime Victimization Survey. National Center for Education Statistics, US Dept of Education; 2016

(4)社会実情データ図録(<URL>)

(5)日本で「貧乏な家の子」がイジメられない理由「頭のいい子・金持ちの子」が標的に.2019.8.9. PRESIDENT Online  

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