サークルタイムとは?子どものパフォーマンス力や自制心を高める:科学的根拠

【3歳~18歳】こども

今回は海外の保育園で良く行われているサークルタイムについて紹介します。最近は日本でも取り入れている所が増えていいるようです。

このサークルタイムは円になっていろいろなプログラムを行うようですが、子どもの自己調整能力を高める効果があるようです。今回はパフォーマンス力と自制心が向上した研究を紹介します。

この記事ではサークルタイムとは何か?どんなことをするのかや更に効果がある方法とその理由についてわかると思います。

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サークルタイムとは?

 

サークルタイムは、その名の通り、教室に「サークル(円)」を作って行います。先生を前に、子供たちが円を描くように椅子を並べ、座って行うことが一般的です。丸くなって座ることで、子供たちはお友達の顔を見て交流することができるだけでなく、先生との距離も近くなり、先生をより身近な存在として感じることができるようになります。
参考URL 外国版「朝の会」、 サークルタイムが英語学習に効果的な理由

海外版の朝の会のような感じのようです。日本では英語に力を入れている保育園などで取り入れられていることが多いようです。

サークルタイムではどのようなことをするのか?

主に以下のことを円になって皆で行います。
・挨拶の時間
・お天気チェック
・カレンダーチェック
・歌の時間
・サークルタイムで行うゲームやアクティビティ

今回の論文では特にサークルタイムで行われる態度にも着目しています。

サークルタイムと子どもの実行機能と自制心が向上する結果が出た研究

2017年のChild Development誌から報告されたイギリス・オックスフォード大学の研究です。

ヨーロッパのスロバキア107人の子供と南太平洋の国であるバヌアツ103人の文化背景の全く違う2国の子どもの210人(104人の女の子、106人の男の子)を対象としました。

平均年齢は7歳~8歳でした。

サークルタイムをした子どもと、そうでない子どものパフォーマンス力と自制心を評価した。

✔パフォーマンス力
子どものパフォーマンスはHTKS課題で評価しました。
HTKS(Head-Toes-Knees-Shoulders)課題 とは、頭を触ってと、大人が子どもに言った場合はつま先を触り、つま先を触ってと指示された場合には頭を触るというルールを持つゲームです。

この得点が高いと目的を達成するために、自分の持つ思考や感情や行動を、動かしたり、調整したり、抑制したりするプロセス=パフォーマンス力が高いと評価されます。

✔自制心
有名なマシュマロ実験を模した評価方法で試しました。
実験者は子どもにキャンディを一つ渡し、用事があるので退室することを伝えました。その際に二つの選択肢を与えました。
(a)実験者が戻ってくるのを待つ間にキャンディを食べてもよい。
(b)実験者が戻ってくるまでキャンディを食べたり、触ったり、においをかいだりしなければ、その後に3個のキャンディをもらえる。

実験者が退室して、ビデオで撮影し時間は15分間としました。
このキャンディを我慢することが出来た時間が長いほど自制心が高いと評価されます。

サークルタイムするグループとしないグループで3ヶ月分けた。

サークルタイムは主に8人~10人のグループで行われ、週2回30~45分間行われました。
また、サークルタイムするグループでも儀式的な態度でする場合と通常の場合で行いました。
※儀式的な態度については後で説明します。

✔サークルタイムをしないグループの子ども達は通常の学校の授業を受けました。

サークルタイムをするとパフォーマンス力と自制心が大きく向上した!

✔サークルタイムをした子どもはパフォーマンス力(η2 = 0.4)と自制心(η2 = 0.34)がしない子どもと比べて向上した

✔特に儀式的態度のサークルタイムをした子どもは、特にパフォーマンス力(η2 = 0.56)と自制心(η2 = 0.49)が向上していました!

サークルタイムでなぜパフォーマンス力と自制心が向上するのか?

サークル(円)になることでお互い話しやすく、観察できるから!

円になることでそれぞれに話しやすい環境が出来ます。また、お互い見やすくなり自分の行動に対する他の子どもたちの反応を見ることができます。

そのため、正しい行動のモデルとなることや他の子どもたちの行動を確認したりすることで共同意識を持ち、呼びかけ合うなど子ども達同士で注意したりします。

その結果、子ども達それぞれが行動の自己調整能力(パフォーマンス力や自制心など)を鍛えることができると考えられています。

儀式的態度のサークルタイムの方法とは?

「儀式態度」の行動は慣習的なものであり、それが「行われている」あるいは「適切な」行動方法であるという理由以外は無いという前提の態度です。まさに宗教!

サークルタイムでいろいろなプログラムを行う中で特に行動の根拠や説明はない方法です。
例えば「いつもこうしているからしてくださいね」「これがルールだから守らなければならない」といった態度で行うようです。

一見不合理に見えますが、子どもにとってはこちらの方がパフォーマンス力と自制心に効果があったようです。

何も考えずに従うように見えますが意外と単純ではなく、そのルールの意向を詳細に厳密に計算して、規範的に定められたルールからの逸脱を回避するという能力を働かせて鍛えられると考えられています。

例えばこれはダメって言われたけどこうした場合は?ここまではOK?などその決められたルールと少ない情報で色々子どもなりに考えるのでしょう。

その結果、パフォーマンス力と自制心能力が向上するようです。

また、文化的背景が違うヨーロッパや南太平洋の国の子ども達で同様の傾向が見られたので、世界的に通じる方法かもしれませんね。

まとめ

✔サークルタイムでパフォーマンス力と自制心が上昇する

✔儀式的な態度で行うより効果的だった

いかがでしたでしょうか?円になるだけで効果があるなんてすごいですね。今回サークルタイムで行ったゲームによって効果が生まれた可能性もあるので、注意が必要です。今後の研究ではきっとこの点も明らかになってくるでしょう。

他にも教育系の記事を書いています。良かったら読んでくださいね。

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引用論文

Rybanska, V., McKay, R., Jong, J., & Whitehouse, H. (2018). Rituals improve children’s ability to delay gratification. Child Development89(2), 349-359.

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