兄弟の数と精神的な健康
2024年1月10日、オハイオ州立大学の研究によると、アメリカと中国での大規模な調査から、きょうだいが多い10代の子供たちの方が、少ない子供たちよりも精神的な健康が劣っていることが明らかになりました。
スポンサードリンクきょうだいの数とその影響
研究では、9,400人以上の中国の中学生と9,100人以上のアメリカの中学生を対象に、きょうだいの数が精神健康に与える影響を分析しました。きょうだいの年齢の間隔や性別構成などによって、その影響の詳細は異なりますが、全体としてはきょうだいが多いほど精神健康が悪いという傾向が見られました。
きょうだいが多いと精神健康が悪い理由
この研究の結果は、「リソース希薄化」の理論に合致しています。これは、親の注意や資源が、子供たちの数に応じて分けられるという考え方です。
同じ年齢に近いきょうだいがいる場合、同じ種類の親のリソースを競合するため、特にその影響が大きいとされています。
中国とアメリカの違い
中国では、一人っ子政策の影響で、34%の子供が一人っ子であるのに対し、アメリカでは12.6%に過ぎません。中国では、一人っ子の子供たちの精神健康が最も良好であり、アメリカでは0人または1人のきょうだいを持つ子供たちの精神健康が良好であることが分かりました。
スポンサードリンクきょうだいと精神健康の関係
この研究は、きょうだいの数が多いほど、精神健康に悪影響を与える可能性があることを示唆しています。しかし、きょうだい間の良好な関係が子供たちに良い影響を与える可能性もあります。
一方で、他の研究では、きょうだいが多いことが幼稚園児の社会的スキル向上や、大人の離婚率の低下と関連していることも示されています。
きょうだいの数が心に及ぼす影響
この研究結果は、きょうだいの数が精神健康に与える影響は、肯定的な側面よりも否定的な側面の方が強いことを示しています。特に、きょうだいが多く年齢が近い場合、精神健康に最も悪影響を及ぼす可能性があります。
今後の課題と意義
兄弟の数が子供たちの成長に与える影響を理解することは、日本を含む多くの国で出生率が低下している現在、重要な社会的課題です。確かに兄弟が多いと喧嘩や親のリソースは分配され、兄弟がいない場合に比べて兄弟が多い子ども達は結果的に不利益を受けているかもしれないですね。
多子世帯には子ども達に向けても行政や専門職の支援が必要だと思います。
