子どもへの体罰と嘘の関係:体罰を受ける環境の子どもは嘘をつきやすくなる

【3歳~18歳】こども
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今回は子どもと嘘についての研究を紹介します。

子どもには出来るだけ正直でいてほしいと思うのが親心ではないでしょうか?

子どもの特性もあると思いますが環境によっても嘘をつきやすい子どもが育つ可能性があるようです。

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体罰は子どもの嘘を促進するという研究

子どもの嘘を促進する要因の一つに厳しい罰(棒で叩く、つまんだり、頭をたたく)を与える環境だということが明らかになりました。

これは確かに納得しています結果だと思います。

間違いを犯してしまった後に叩かれたり暴力を振るわれたりすると怖くて嘘をついてしまうのも分かるような気がしますね。

3歳児と4歳児に体罰の有無が嘘を促進するかのぞき見ゲームで実験した

この研究は西アフリカの2つの学校で3歳と4歳の未就学児を対象にしました。

体罰(例:棒で殴ること、頭を叩くこと、つまむこと)をした学校と体罰をしない学校の生徒を比較しました

4日間学校の様子を研究者が確認して判断したそうです。

それぞれ学校から42人の子どもたちに、大人の試験官が子どもと一緒に布で隠してある人形を何か当てるゲームをしました。(ちなみにライオンの人形でした)そして、試験官は車に「忘れもの」をしたと言い教室から出ました。

子どもは、布で隠してある人形を覗き見しないように言われた後に、試験官が退室した後に監視カメラで観察されました。

そして試験官が戻ってきたとき、

のぞき見ゲーム①:子どもはその布で隠してある人形を覗いたかどうかを尋ねました。

 

②:①の回答にかかわらず、その人形が何であるかを聞かれました。

  • この質問では嘘をついた子どもが、人形をライオンと正しく言っているか、違うものだったり、わからないと答えたりして人形を見たことをバレない行動(より高度な嘘)をしているか調べたのです

どちらの学校の子もほとんど覗き見をしていました。これもちょっとびっくりですね。

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体罰は嘘を増やした!さらに嘘を上手くさせる!可能性が明らかに

のぞき見ゲームの結果①の結果は体罰のない学校の子どもたち56%が覗き見について嘘をついたのに対し、体罰のある学校の子どもたちのほぼ全員の94%が年齢に関係なく嘘をついていました。

 

②の結果では体罰のある学校の嘘をついた人の31%がライオンの人形(正しい答え)を答えたのに対し、体罰のない学校の嘘をついた人の70%はライオンの人形と答えました。

体罰のある学校の子どもたちは、体罰が無い学校の子どもたちに比べ、人形をわざと間違うなどより高度な嘘が5倍以上も高かったのです。
つまりバレないようにより巧妙な嘘をついていたのです。

研究者らは、体罰という恐怖が嘘をつくことを促すだけでなく、子供たちが罰を避けるために嘘を巧妙につく方法を学び、嘘つきがより進みよりバレにくい嘘をつく可能性があると結論づけています。

逆に、体罰のない環境は、子どもたちが正直になるために必要な安心感を与えてくれるかもしれない、とも論じています。

まとめ

この結果はわかる気がしますね。

痛い体罰をされるのを知っていながら、真実を話す子どもはなかなかいないでしょう。大人でも、、、。

大人でも見破れない嘘をつかれた時、、、少し怖いですね、、、。

研究の質は低いと思いますので、この研究結果をもってして体罰が無ければ子どもが正直になり、体罰したからといって嘘つきになってしまうとは断定するのは難しいところです。だけど納得するところもあるかなと思います。

私の考えではやはり体罰はしないほうが良いと思っています。私の小さいころは親や先生から拳骨やビンタなどはしょっちゅうされていましたが、、、。

自分の子どもには一切していません。
正直な子になるようにするにはどうしたら良いのか?子育ての参考になればと思います。

子どもの嘘や不正に関しては以下の記事にも取り上げていますので良かったら読んでくださいね。

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またしつけに関しての記事も以下にまとめています。

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引用論文

Talwar V, & Lee K (2011). A Punitive Environment Fosters Childrens Dishonesty: A Natural Experiment. Child development PMID: 22023095

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