男の子はビデオゲームでうつになりにくくなる:デジタルが心理的健康に与える影響について

【3歳~18歳】こども
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10代の画面時間と心理的健康

10代の若者たちの心理的健康は、彼らの将来にとって非常に重要です。現代社会では、スマートフォン、タブレット、コンピュータなどのデジタルデバイスが日常生活に深く浸透しており、特に10代の若者たちは多くの時間をこれらの画面の前で過ごしています。

この画面を使った生活様式が、若者たちの心理的な健康にどのような影響を与えているのかは、保護者や教育関係者にとって大きな関心事です。

近年、スクリーンタイムと心理的健康の関係について多くの研究が行われていますが、その結果は一様ではありません。

一部の研究では、長時間の画面使用が不安やうつ症状を引き起こす可能性を指摘していますが、他の研究ではそのような明確な関連を見つけることができませんでした。

しかし、これらの研究の多くは、画面時間の量だけに焦点を当てており、画面の使用方法や内容についてはあまり考慮されていませんでした。

本研究では、10代の若者たちがどのように画面を使用しているか、またそれが後の抑うつ症状にどのように影響するかを、前向きに調査しています。特にビデオゲーム、ソーシャルメディア、インターネットの使用と、それが14歳時の抑うつ症状に与える影響を追跡しました。

この研究の結果は、スクリーンタイムの管理と、10代の心理的健康の促進において、新たな視点を提供するものです。

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研究の概要と方法

本研究では、ミレニアムコホート研究のデータを利用し、10代の若者たちの画面使用時間とその後の心理的健康の関係を探りました。

11歳の時点でビデオゲーム、ソーシャルメディア、インターネットの使用頻度を調査し、その3年後、14歳時の抑うつ症状を分析しました。

研究では、画面使用時間という一般的な指標だけでなく、具体的な使用方法や使用するメディアの種類に焦点を当てました。

これにより、画面時間の量だけではなく、その質や内容が10代の心理的健康にどのような影響を与えるかをより深く理解することができました。

この研究は、単に画面の前にいる時間を減らすことだけでなく、10代の若者たちがどのようにデジタルデバイスを使用しているかを理解することの重要性を示しています。

次に、この研究の主要な発見について詳しく見ていきましょう。

性別による影響の違い

本研究の重要な発見の一つは、ビデオゲーム、ソーシャルメディア、インターネットの使用が、男女で異なる影響を持っているという点です。

男子の場合、ビデオゲームの頻繁な利用は抑うつ症状の低減と関連していることが分かりました。これは、ビデオゲームがストレス解消や社会的交流の手段として機能している可能性があります。

一方で、女子ではソーシャルメディアの頻繁な利用が抑うつ症状の増加と関連していました。

この違いは、ソーシャルメディアが特に女子において比較や自己評価に影響を与える可能性があることを示唆しています。

これらの発見は、画面時間の管理において性別特有のアプローチが必要であることを示しています。また、若者たちがどのようなデジタルコンテンツを消費しているかを理解し、指導することの重要性を強調しています。

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まとめ

この研究は、10代の画面使用時間と心理的健康の関係についての新たな理解を提供しています。

特に、ビデオゲームやソーシャルメディアなど、異なる種類の画面使用が性別によって異なる影響を与える可能性を示しています。

これは、10代の子どもたちの画面使用に対する指導やアドバイスを提供する際に、性別や個々の傾向を考慮する必要があることを意味しています。

しかし、この研究にはいくつかの限界もあります。
たとえば、画面使用時間の持続期間や物理的活動データの測定誤差などが含まれる可能性があります。これらの点は、今後の研究でさらに詳細に検討されるべきです。

最終的に、この研究は、10代の子どもたちが画面を健康的に使用するための指針を提供する一助となることが期待されます。

性別に応じたアプローチや、物理的活動を含む総合的なライフスタイルの促進が、10代の心理的健康の維持に重要であるという点が強調されています。

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参考文献

Kandola A, Owen N, Dunstan DW, Hallgren M. Prospective relationships of adolescents’ screen-based sedentary behaviour with depressive symptoms: the Millennium Cohort Study. Psychological Medicine. 2022;52(15):3531-3539.

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