親の態度が冷たいと感じる子どもはテロメアが短くなる:遺伝子が傷つく

【3歳~18歳】こども

今回は子どもの家庭環境が遺伝子(テロメア)に及ぼす影響に関する論文を紹介します。

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テロメアとは

遺伝子のテロメアとは何か?
テロメアやテロメラーゼは、細胞の老化や不死化と呼ばれる現象に重要な役割を担っており、これを介して生体の恒常性維持やがん化とも密接に関連していると考えられている。wiki
人間の老化にかかわるDNAでこの長さが短いほど寿命が短くなる可能性があると言われています。
テロメアは精神的なストレスで短くなる事が明らかにされてきています。
例えば、
✔早期に親と別居あるいは死別し、トラウマ的な人生経験の両方を経験した人は、テロメアが有意に短かった (1)

✔幼少期に虐待を受けた経験のある成人のテロメアは、そのような経験のない成人よりも有意に短かった。
(2)

というようなことが分かっています。
今回は親の子どもへの態度がテロメアにどのような影響を及ぼすのか?に調べた研究になります。

冷えた家庭で育つとテロメアが短くなる研究

2019年のアメリカロマリンダ大学の研究です。

どのような人達が対象になったのか?
1976と2002の健康に関するアンケートに回答し、診療所に参加して血液を採取した、199人の成人した男女が対象になりました。

冷えた家庭とテロメアの調査内容

生活習慣および病歴に関する質問票に記入しました。
また、質問には子ども時代の親の子育てスタイルについての認識、両親の有無に関する質問なども含まれていました。

具体的な質問は以下の通りではい・いいえの2択で答えてもらいました。
父親・母親それぞれについて
✔温かく理解してくれますか?
✔冷めていて距離を感じる?
✔親はいない(離別している)

結果は特に母親の影響がテロメアの短さに関係していた。

研究の結果は
母親について冷めていて距離があると答えた人々でテロメアが25%小さかった(r = -0.54)(p = 0.002)
父親は有意ではありあせんでした。
学歴やBMI単独については有意ではありませんでした。

しかし、
母親が冷たくても学歴が高いとテロメアは短くありませんでした。
BMIが25以上の肥満の人では、母親が冷たいと報告した人が冷たくないと報告した人に比べて37%もテロメアが小さかった。BMI25未満の人では差はありませんでした。

つまり、学歴が高く肥満ではない人のテロメアは普通の人と変わらない割合が多かったようです。

研究者は高学歴の人は高いレジリエンス(逆境にあってもおれない心をもって対応できる状態)を持っており子どもの頃の冷めた家庭でも影響は少なかった可能性があると述べています。
また、肥満自体が酸化ストレスと慢性炎症によりテロメア短縮を促進するため、冷たい家庭環境が加わると相乗効果でテロメアが短くなるようです。

子育てに関する記事を以下にも書いています。良かったら読んでくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?親(特に母親)の態度が冷たいと感じた子どもは遺伝子レベルで傷つくようです。
しかし、その中でもテロメアの長さが変わらない人もいます。高いレジリエンスを持ち適正な体重を保てば、冷たい家庭を経験しても健康で長生きできるかもしれません。
また親の自分自身、子どもに冷たい親だと思われないように気を付けたいと思います。

引用論文

Knutsen, R., Filippov, V., Knutsen, S. F., Fraser, G. E., Lloren, J., Juma, D., & Duerksen-Hughes, P. (2019). Cold parenting is associated with cellular aging in offspring: A retrospective study. Biological psychology, 145, 142–149. https://doi.org/10.1016/j.biopsycho.2019.03.013

(1)Savolainen K, et al., Associations between early life stress, self-reported traumatic experiences across the lifespan and leukocyte telomere length in elderly adults. Biological Psychology, 2014. 97: p. 35–42.
(2)Tyrka AR, et al., Childhood maltreatment and telomere shortening: preliminary support for an effect of early stress on cellular aging. Biol Psychiatry, 2010. 67(6): p. 531–4.

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