教師にインセンティブをつけると子どもの学力は伸びる!【先生の給料】の科学的根拠

先生 教師 学力 偏差値【3歳~18歳】こども

今回は先生とインセンティブについて取り上げます。

アメリカでは先生たちにもインセンティブ=能力給を支給しているところがあるそうです。アメリカも一定に給与だったようですが、先生の給与の主な決定要因(学位取得と経験)が生徒の成果と高い相関性を持っていないことが問題となり、徐々にインセンティブ(能力給)が支持されてきているようです。

確かに凄く熱心で授業も面白い先生がどうみてもやる気の無い先生と同じ給料だったりしますよね。

さらに年功序列で年齢が高いだけで給料が高いのが日本の特徴と言えるでしょう。(他の業界も同じで学校の先生たちだけではありませんが)

でもインセンティブって本当に効果あるの?親としては、特に子ども達の学力は上がるのか?という点がとても気になります。この点について2020年のメタアナ論文を詳しく解説することにより明らかになります。

また小学生から大学生まで効果あるの?どんなインセンティブの方法だと効果が高いのか?金額が高い方がいいの?
という疑問を解決する内容になっています。

子育て中の方だけでなく、学校の先生たちにも是非見ていただきたい記事です。

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インセンティブ(能力給)とは?

インセンティブとは、英語の「incentive(刺激・動機・誘因)」に由来し、モチベーションを維持・増幅させるための外的刺激のことを意味します。
1.個々の成績に応じて支払われる報奨金(金銭)
2.やる気を起きさせるような動機づけ(金銭以外)
参考リンク

今回のこの記事で扱うインセンティブは能力給(金銭)になります。

教師にインセンティブがあると生徒の学力がどうなるか確認した研究

2020年にAmerican Educational Research Journalから報告されたヴァンダービルト大学メタアナリシス研究です。

メタアナリシスという研究デザインとは

この論文はMeta-Analysisというデザインの論文です。
簡単に言ってしまうと沢山の同じような個別の論文をまとめて、結果や効果を考察するスタイルの論文です。
沢山の研究を一つにして解析するためエビデンスレベル、科学的根拠の質は高いと言われています。
詳しくはWikipedia 参照 メタアナリシス(meta-analysis)とは

今回のメタアナリシス研究では37の研究にわたって効果量を分析し、そのうち26は米国で実施されました。

先生にインセンティブ(能力給)制度を導入し、生徒の偏差値がどれくらい上がるかの効果を調べた。

先生にインセンティブを導入した結果が生徒の標準偏差値が上がるという結果!

37の世界中の研究と対象にした結果

✔全体で0.053偏差値が上がった。
✔数学は0.067偏差値が上がった。
✔国語(母国語)は0.04偏差値が上がった。

しかし米国以外の国(ポルトガル、インド、イスラエル、ケニアなど)はあまりにもインセンティブの幅や教育環境が違いすぎるのか米国の研究達に比べあまりに結果が良すぎたので、米国のみに絞って再解析もされています。

26の米国の研究で分析すると
✔全体で偏差値が0.043上がった。
✔数学は0.05偏差値が上がった。
✔英語(母国語)は0.029偏差値が上がった。

インセンティブ(能力給)は沢山の研究の結果から効果があるようです。一説では偏差値を0.04上げるには3週間分くらいの学習が必要だそうです。

この差は大きい差とみるか小さい差とみるかによりますが、受験する学生さんや親のみなさんは先生に教わるならどちらが良いでしょうか?

また、後述しますが、効果的なインセンティブの方法や学年もあるので組み合わせればより偏差値は上がると考えられます。

先生にインセンティブをつけるとなぜ子どもの成績が上がるの?

以下の事が考えられているそうです。
能力給は、教師が目標とする成果を達成するために、さらに努力や研鑽、投資をします。それがまた子どもたちに良い結果として返ってきます。頑張った分だけ報酬がもらえると頑張れますよね。

また、能力給は,高い能力を持つ教師を引きつけて、その教師のモチベーション維持させることが出来ます。それによって全体的に教師の質も良くなるようです。実力主義になるので能力のない人は淘汰されるのでしょう。

しかし、懸念もあります。
インセンティブをテストの点数に結びつけると、教師はテストの内容やテストを受けるためのスキルだけに集中するようになるかもしれないという懸念や研究者の中には、テストの点数が重視される環境では、不正行為が行われる可能性が高いなど警鐘を鳴らしています。
これらの点には注意が必要で、そうならないようにするシステムを構築するなど工夫が必要だと考えます。

インセンティブの効果は小学校が大きい!

追加の解析で中学生よりも小学生の方が大きい効果がありました。
中学校(0.012)より小学校(0.096)の方が大きい効果があることが分かりました。

なぜ小学校の先生にインセンティブを付与すると効果が高いのか

小学校と中学校は先生のかかわり方が違いますよね。小学校学級担任がほとんどすべての教科を教えてくれて、教室にもいる時間が長いですよね。

ただ、米国の小学校はほとんど日本の小学校と同じスタイルのようですが米国の方が一クラスあたりに人数が少ないです。しかし、日本の小学校ほどは先生との関わりは少ないようです。

このような違いがあると思いますが、日本と米国の小学校ではおおよそほとんど同じような効果だと考えます。

しかし、中学になると日本とアメリカはガラッと講義のスタイルが変わるようです。
日本だと担任の先生が毎朝ホームルームなどで触れ合う機会があります。

しかし、アメリカではむしろ日本の大学に近い方式で学生それぞれに自分の時間割があり、そのスケジュールに沿って教室を移動し講義を受けるようです。そして時には100人くらいを一斉に講義もするとか、、、米国の中学校は、ほぼ日本の大学生のような学校生活ですね。

アメリカの研究なのでこの学校生活のスタイルの違いが表れたのでしょう。アメリカの中学校は教員一人当たりの生徒への関わりがとても少ないため、小学校より中学校はインセンティブの効果が低いのです。

日本の中学や高校は小学校よりは先生との関わりは減りますが、大学ほどではありません。なので日本の中学校における結果は少し甘くみても良いでしょう。
ここら辺について日本での研究に期待したいですね!

日本の大学の先生にインセンティブを導入しても微妙かも、、、。

インセンティブをつけるならどんな方法が一番良いの?

色んなインセンティブの方法がありますが、一番効果が高かったのは、
✔インセンティブ+専門的な研修を組み合わせた方式が一番偏差値を上げました。0.083偏差値を上げる効果がありました。
✔インセンティブのみの場合は0.044偏差値を上げる効果がありました。

この結果は単に努力しても、効果的な方法や知識がないと努力の方向性を間違い結果につながらない場合があります。

インセンティブのみを導入するだけでも効果はありますが、結果をより達成しやすくするためのサポートや教育研修などが提供されていれば、先生たちは、最も子どもの学力を伸ばせるようです。

他のインセンティブの方法

✔職員ランキング(0.08)
2番目のインセンティブの方法は偏差値上げた教員ランキングみたいなものでインセンティブを付与する方法です。0.08偏差値を上げました。しかし競争意識を煽る方法ですし研究数が少ないため注意が必要で過大評価している可能性があります。

✔同僚同士の評価(0.064)
同僚の教師の評価によるインセンティブも0.064の効果がありました

✔インセンティブの額が多い(0.056)
インセンティブの額が低い(0.034)より高い(0.056)方が効果は大きい結果でした

この大きい小さいは7つの研究のインセンティブ額の中央値で分けたそうです。
中央値より低い場合は低いグループ、高い場合は高いグループという具合です。

確かに金額が大きい方がモチベーションはあがりそうですよね。

まとめ

✔インセンティブ(能力給)は子どもの学力を上げる効果がある
✔小学生などの低学年には特に効果的である
✔専門的な研修+インセンティブの方法が一番効果は大きい
✔インセンティブの金額が大きい方が効果は高い

上記のポイントを上手く組み合わせれば、偏差値はより上がると考えられます。

いかがでしたでしょうか?
私が中学生・高校生の頃の先生たちは朝補修から始まり部活、部活後も残っており、とてもハードだと学生の頃から思っていました。

それにもかかわらず給料は年功序列でやる気のない先生ほどつまらない授業をして負担も少ないなんてこともあるようです。(最低限の仕事をしているのであれば良いと思いますが、、、)

本当に素晴らしい努力されている先生には、それに見合った給料を上げてほしいなと切に願います。
その一つの方法にインセンティブという方法があります。

是非検討してほしいと思います。

他にも教育関連の記事を書いています。良かったら読んでくださいね。

引用論文

Pham, L. D., Nguyen, T. D., & Springer, M. G. (2020). Teacher Merit Pay: A Meta-Analysis. American Educational Research Journal, 0002831220905580.

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