親のスマホは子育てにいいの?悪いの?科学的根拠やエビデンス

【0歳〜3歳】乳幼児
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結論

結論から言うとスマホのしすぎは明らかに悪いです。(当然ですが、、。)使い過ぎず適度な時間の使用を推奨します。

育児中にもついついスマートフォンなどでSNSやYouTube見る方も多いのではないでしょうか?
スマホは非常に便利な道具で買い物やエンターテインメント、コミュニケーションなどを一括でできる万能なツールでしょう。
しかし、使い過ぎは禁物のようです。

今回はスマートフォンなどのデジタルデバイスと夫婦関係や子育てへの影響を調べてみました。

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そもそもスマホがあるだけでマイナス?

✔スマホが見える位置にあるだけで親密さ、つながり、会話の質に悪影響を与える可能性がある。

68人の参加者を二人一組でペアを組み、最近起こった重要なことについて個室で10分間程度話してもらいました。その個室にはスマホが見える位置にあるパターンとスマホが無いパターンのどちらかに分けて、二つのパターンを比較しました。
結果は不思議ですが、スマホが見える位置にあるだけで、親密さや信頼感や共感や理解を 感じる度合いが低下した結果が出たようです。(1)

✔実際にスマホを使用するとつながりや会話の共感のレベルが下がる

コーヒーショップの二人一組で来店したお客200名の100組(女性109名、男性91名)を対象にしました。10分間指定されたテーブルで指定されたテーマで話し合ってもらい、その間のスマホの使用状況などを研究者が目立たないように観察しました。
参加者のどちらかがスマホをテーブルの上に置いたり、手に持ったりした場合に共感レベルやつながりが低下したようです。(2)

これは、スマホが見えることで着信などを意識してしまい相手との会話に集中できないからかもしれませんね。
スマホがあるだけで、会話の質は低下するのですから、使用しているときは大切な会話はほとんどできないでしょう。

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夫婦関係は?

妻はスマホなどのデジタル機器が夫婦の余暇時間、会話、食事の時間など、パートナーとの交流を頻繁に妨げていると感じ抑うつが増え、人生の満足度が低下することが分かりました。

これはアメリカの143名の既婚女性を対象にしたオンラインアンケートの調査結果で分かりました。(3)

✔スマホの時間が長いほど、スマホ使用をめぐる対立が大きくなり、夫婦関係の満足度の低下することが分かっています。

既婚/同居カップル 182 組と Couple Well-Being Project のカップル 239 組オンライン調査し解析した2つの研究で明らかになりました。(4)

子どもへの影響は?

スマホの時間が長いほど、子育ての質が低下することも分かっています。(4)

✔子どもを無視する
✔子どもに怒りっぽくなる。
✔子どもに暴力的になる可能性

これは、ファーストフード店のスマホを持つ親子55人観察した研究でこの可能性が示されました。実際にスマホに夢中になっている親にこのような行動が多くみられたようです。(5)

✔スマートフォン,テレビ,コンピュータの使用時間が長いほど,子どもの内在化・外在化問題行動が多くなる。

内在化問題行動とは・・・・「泣き言を言う」、「よくすねる」、「気持ちが傷つきやすい」など恐怖、身体的な訴え、不安、社会的引きこもりなど自己の内部に起こる問題です。

外面化問題行動とは・・・・「じっとしていられない、落ち着かない、多動的」、「イライラしやすい」、「短気や熱っぽい」など他者や環境との葛藤として起こる問題です。

さらに

✔親は子どもが問題行動を起こすと、強いストレスを感じ、そのストレスが大きいほど電子機器をよく使用する。

つまり

スマホを長時間使う→子どもの問題行動⤴→親がストレス⤴→スマホをさらに使う

この負のスパイラルに陥いることが明らかになったのです。これは幼い子供を持つ夫婦183組を対象にした6ヶ月に渡る研究で明らかになりました。(6)

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子どものスマホもするようになる?

また、最近の研究では次の事も分かってきています。

✔子どもと親は一緒に食事をしている間も、スマートフォンやタブレットなどのデバイスに時間を費やすことが明らかになりました(7)

一緒にいてもお互いスマホを触っていることが多くなってきているようです。

✔0歳から8歳までの子供を持つ親2300人以上を調べた結果、親のテレビ、スマホなどの使用時間が長いと、子どもも使用する時間が長くなる言われています(8)

親がスマホを沢山使うと子どもも沢山使うことが研究ベースで明らかになっているようです。

現在、日本ではネットを3時間以上利用する小学生は29.3%、中学生は45.8%、高校生は66.3%のようです。(9)
青少年のインターネット利用環境実態調査ー内閣府

日本小児学会では子どものスマホなどメディアに触れる時間は2時間以内にするように推奨しています。(10)(子どもとスマホについては機会があればまとめようと思います。)

小学生の3割近くスマホを含むメディアを使い過ぎの現状があります。
スマホは非常に便利ですが、上記の数々の研究により使い過ぎはやはり良くないのでしょう。
上手に付き合っていけたら良いと思います。

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スマホのメリット・適度な使用が大事

さんざんスマホのネガティブなことを書きましたがスマホは使い過ぎなければ非常に便利なデバイスです。

✔孤独感が減りストレス解消になる!
瞑想アプリや便利なアプリ、SNSやlineなどを通じてコミュニケーションをとりストレスを解消できる。2018年京都大学の研究では3歳以下の子どもを持つ母親の適切なSNSとスマホの使用で孤独感を減らす(11)という研究結果が出ています。スマホ育児はストレスや孤独感などメンタルに良い影響を与える可能性があります

✔いろんな情報を得ることが出来る。
ネットにはたくさんの子育てに関する情報がすぐに手に入る

✔買い物や家事の時短に使える
Amazonや楽天でお店に行かずに簡単にショッピングできますし、エアコンや家電などの操作もできます。生活の質を間違いなく高めるツールだと思います

以上のメリットもあるので上手に活用して、まずは親からスマホとの付き合い方を上手にできるようになりたいですね。

SNSの適切な使用で母親の孤独感が減る研究について以下の記事でまとめていますので良かったら参考にしてくださいね

引用論文・サイト

(1)Przybylski, A. K. & Weinstein, N. Can you connect with me now? How the presence of mobile communication technology influences face-to-face conversation quality. J. Soc. Pers. Relat. 30, 237–246 (2013).

(2)Misra, S., Cheng, L., Genevie, J. & Yuan, M. The iPhone effect: the quality of in-person social interactions in the presence of mobile devices. Environ. Behav. 48, 275–298 (2016).

(3)McDaniel, B. T. & Coyne, S. M. “Technoference”: The interference of technology in couple relationships and implications for women’s personal and relational well-being. Psychol. Pop. Media Cult. 5, 85 (2016).

(4)McDaniel, B. T., Galovan, A. M., Cravens, J. D. & Drouin, M. “Technoference” and implications for mothers’ and fathers’ couple and coparenting relationship quality. Comput. Human. Behav. 80, 303–313 (2018).

(5)Radesky, J. S. et al. Patterns of mobile device use by caregivers and children during meals in fast food restaurants. Pediatrics 133, e843–e849 (2014).

(6)Brandon T. McDaniel, Jenny S. Radesky. Technoference: longitudinal associations between parent technology use, parenting stress, and child behavior problems. Pediatric Research, 2018; DOI: 10.1038/s41390-018-0052-6

(7)Mullan, K. and Chatzitheochari, S. (2019), Changing Times Together? A Time‐Diary Analysis of Family Time in the Digital Age in the United Kingdom. J. Marriage Fam, 81: 795-811.

(8)Lauricella, A. R., Wartella, E., & Rideout, V. J. (2015). Young children’s screen time: The complex role of parent and child factors. Journal of Applied Developmental Psychology, 36, 11-17.

(9)青少年のインターネット利用環境実態調査内閣府
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html

(10)公益社団法人 日本小児科医会 子どもとメディア委員会
https://www.jpa-web.org/about/organization_chart/cm_committee.html

(11)Mandai, M., Kaso, M., Takahashi, Y., & Nakayama, T. (2018). Loneliness among mothers raising children under the age of 3 years and predictors with special reference to the use of SNS: a community-based cross-sectional study. BMC women’s health, 18(1), 131. https://doi.org/10.1186/s12905-018-0625-x

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