子どもにジェスチャーしながら教えると子どもの説明力が上がる!【科学的根拠】

【3歳~18歳】こども
ジェスチャーの効果 説明力や創造性が上がる 科学的根拠
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みなさんは子どもに何か教えるときにジェスチャー(身振り手振り)で教えていますか?

実はジェスチャーを子どもに使ってもらうと説明力が上がることが明らかになっています。
ジェスチャーを使用すると子どもの説明力が上がる【身振り手振りの科学根拠】

では教えるときにジェスチャーを使用するとどうでしょうか?身振りがある方が細かい表現などが理解出来て効果ありそうですよね。

今回は子どもに、このジェスチャーによる指導の効果について証明した研究を紹介します。

この記事を最後まで読むと、どのような効果なのか?どれくらい効果があるのか?などを詳しく解説します。

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子どもに先生がジェスチャー有りと無しの授業を見せて子どもの説明力を調査した研究

2019年にDevelopmental Psychology誌に報告されたポンペウ・ファブラ大学の研究です。

平均年齢6歳の44人の子どもを対象にしました。

6本のアニメを用意した

✔ネズミや動物のキャラが出てきて、いろいろな動作をするアニメを見ました。
✔アニメの時間は約41〜50秒でした、
✔アニメは無声でセリフやナレーションはありませんでした。

アニメの内容は例えば
“むかしむかし、あひるが学校に向かって歩いていました。突然、雨が降ってきて、アヒルは傘を持っていませんでした。傘を持っていないアヒルは、頭にフードを被って雨をしのぐことにしました。”

このようなアニメを6本用意しました。

事前テストを行い子どもの物語の説明力を把握した!

初めに6本のアニメの中から2つのアニメを子ども達に見てもらいました。
その後、この物語はどのような内容であったのかを聞きました。

子どもの物語の説明力を評価した!

Narrative structureスコアというスケール表を用いて評価しました。これは子どもの物語のうまさなどを客観的に把握するために作られたスコアです。
4つの主要な特徴、主人公について、時間、因果、目標行動といった項目を述べられているかで評価し点数をつけるようです。

ジェスチャーをする場合としない場合の先生の説明動画を見てもらった!

事前テストで子どもの物語の説明力を評価した後に、子どもを二つのグループに分けました。

6本のアニメ全てについて身振り手振りのジャスチャーを交えながら説明する先生の動画
6本のアニメ全てについて言葉だけで説明する先生の動画

残りの4つのアニメを見てもらい事後テストをした!

その後に事前にみた二つのアニメと違うアニメを4つ見てもらいました。

その後に再度子どもの物語の説明力をテストしました!

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先生からジェスチャーで説明された子どもの方が説明力は高かった!

結果は

✔ジェスチャーありの子どもはジェスチャーなしの子どもに比べて1.733倍、説明力が高い結果でした。

✔ジェスチャーありの子どもは事前のテストと事後のテストでは1.889倍、説明力の得点が高い結果でした。

✔ジェスチャーなしの子どもは事前テストと事後テストの説明力は変わらない結果も分かりました。

ジェスチャーや身振り手振りはかなり効果的な可能性が分かりました。また、ジェスチャーなしの説明を受けた子どもの説明力が変わらないのも驚きの結果です。

どのようなジェスチャーを用いたのか?

実験では

✔手のひらを上にして腰の高さで外側に動かす動作

✔手のひらを体に向けて腰の内側に動かし両手の指先が触れることもある動作

これらが多く用いられたそうです。下の図参照

引用論文より抜粋

なぜジェスチャーは効果があるのか?

ジェスチャーは、言語処理や言語発達、コミュニケーションの重要な前駆体であると考えられています。
赤ちゃんでは言葉を発するより前に指差しなどのジェスチャーをしますよね?私たちはジェスチャーを早期から使用し、言葉は実はその後から発生します。ここには連続性があると言われています。

実は言葉と同じくらいジェスチャーを理解しやすい可能性があります。

つまりジェスチャーとてもなじみが深く、言葉に代わって理解を促してくれるツールなんですよね。

子どもの発話とジェスチャーはともに年齢とともに向上し、同様にジェスチャーは発話の変化に先行してシグナルを発し、子どもはジェスチャーと発話の組み合わせによってコミュニケーションのレパートリーを増やしていくと考えられています。
子どもってよく見ると体全体のジェスチャーを使って色々なことを表現していますよね。また、ジェスチャーは先行研究や最近行われた沢山の論文を解析した結果(1)でも、大人も使用されると、聞き手は中程度の理解力向上の効果があることが分かっています。

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まとめ

✔ジェスチャーを用いた先生の説明は子どもの説明力をあげる!

✔ジェスチャーを用いない先生の説明は場合だと説明力は変わらなかった

いかがでしたでしょうか?
実際にジェスチャーを用いて講義を聞くと大人でも効果があることが先行研究で分かっています。

また、ジェスチャーを使って説明すると説明力が上がることも分かってきています。
ジェスチャーを使用すると子どもの説明力が上がる【身振り手振りの科学根拠】

普段の会話でもジェスチャーや身振り手振りを心がけたいですね。
教育の現場では必須のスキルかもしれませんね。

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ジェスチャーの効果字幕付き解説動画

動画もありますので良かったら見てくださいね

また、他にも教育に関する記事をまとめているので、良かったら読んでくださいね。

引用論文

Vilà-Giménez, I., Igualada, A., & Prieto, P. (2019). Observing storytellers who use rhythmic beat gestures improves children’s narrative discourse performance. Developmental Psychology, 55(2), 250.

(1)Dargue, N., Sweller, N., & Jones, M. P. (2019). When our hands help us understand: A meta-analysis into the effects of gesture on comprehension. Psychological Bulletin, 145(8), 765–784.