自己説明の学習法は効果が結構ある!:科学的根拠

【3歳~18歳】こども

学校で調べた内容を発表する機会結構あると思います。また、大学生以降ではプレゼンはどこでもやっているのではないでしょうか?

これって学びや学習の効果あるの?ということについて深堀します。優秀な人は自然(無意識で)と一人でやっている傾向があると先行研究でも言われているそうです。

実は結構効果ある!けど注意点もあります。

この記事ではどれくらいの効果なのか?なぜ効果的か、注意する点は?

他の学習方法にも触れながら解説していきます。

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学生が自分で説明することが学習に効果あるのか?を調べたメタアナ研究

2018年にEducational Psychology Review誌から報告されたカナダのサイモン・フレイザー大学の研究です。

この論文はMeta-Analysisというデザインの論文です。
簡単に言ってしまうと沢山の同じような個別の論文をまとめて、結果や効果を考察するスタイルの論文です。
沢山の研究を一つにして解析するためエビデンスレベル、科学的根拠の質は高いと言われています。
詳しくはWikipedia 参照 メタアナリシス(meta-analysis)とは

Self-explaという用語を用いて、ERIC、PsycINFO、Web of Scienceなどの論文データベースを検索しました。
1306件の研究がヒットし、自分で説明することの結果や効果を記載したものなど、様々な条件を経て64の研究が解析に採用されました。

対象者は述べ5917人となりました。

自己説明学習法の効果は中程度!説明されるより2倍の効果!

✔自分で説明する場合の効果は0.55と中程度でした。
(効果の記載は数字が大きくなるほど効果が高いとされます。0.2は小程度、0.5は中程度、0.8は大きな効果と言われます)

✔ほとんど数学や科学、その他のほとんどの教科で効果がありました

さらに、この研究では自分で説明するのと先生の説明どちらが効果的なのか比較されました。

✔先生や教科書の説明に比べ自分で説明する効果は約2倍でした。

自己説明はなぜ効果的なのか?

自己説明の際、学習者は因果関係や概念的な関係を推論し、理解を深めることができると考えられている。

なぜ自分で説明することは先生や教科書から説明よりも効果があるのか?

✔自己説明の際、学習者は因果関係や概念的な関係を推論し、理解を深めることができると考えられている。
つまり説明する時に自分の頭でしっかり整理して考えるので、ただ教えてもらうだけや覚えるだけよりも深く学べるのです。

自分で説明する際に頭の中ではしっかり学んだことの手順や関連性を理解しながら説明する内容を構築していきます。

しかし、教科書や先生の説明を聞いている時、多くの人はその説明を新しい情報を事前の知識と結びつけたり、新しい情報から生じる意味を考えたりすることはない傾向にあります。覚えるだけでその必要がないのですから。

この違いが大きな効果を生むと考えられています。

✔カバレッジ仮説【学習者に与えられた以上の情報を追加できる可能性がある】
説明するというアウトプットが「教材にはない追加コンテンツ」を生み出すと考えられています。これをカバレッジ仮説といい、この付加価値が効果を上げるのではないかと考えられています。

ブログもそうなのですけれど、教科書の中だけでの話をまとめようとするとどうしても他にも気になることが出てきませんか?私もあちこち論文に記載されていない関連情報を調べてブログを書いています。説明する、何かをアウトプットする時にはどうしても書いてあること以外の情報が必要になる時が多いと考えられています。これがより良い学習効果をもたらすと考えられます。

自己説明学習法の注意点

✔多数選択式の問題や命令形の問題(これを説明しなさいなど)では効果が薄い可能性がある
研究が圧倒的に少ないのであまり当てにはなりませんが、問いかけや穴埋め問題よりも倒的に少ないので不確かですが効果が低かったようです。

✔選択や決定の理由付けを説明させるよりも概念などを説明させる方が効果的
選択や決定の理由付けも効果はありますが(0.416)、例えば車の定義など概念的な説明(0.873)をさせた方がより効果があるようです。
また、これらを合わせても良いそうです。

✔メタ認知的説明は効果が低い
学生に自分自身の知識や理解の状態を自己説明させた場合はかなり効果が低かったようです。あまりおすすめは出来ないでしょう。

✔自己説明の学習は時間がかかる可能性がある
自己説明するには時間がかかると以前から指摘されています。やはりまとめるためには時間が必要ですよね。今回同じ量の学習内容で自己説明と他の学習を比較した結果、自己説明の方が効果を認めました。ですが、ほとんどの研究は時間については考慮していないので注意が必要だと研究者は述べています。
自己説明の方が効果はありそうですが、今後は時間対効果についてさらなる詳しい研究が必要だと考えられます。

自己説明学習法は他の学習法と比較してどれくらいの効果なのか?

少し古い論文の引用にはなるのですが、800以上の論文を元に学習方法の効果を解析した研究(1)を参考に比較すると、
✔相互で教えあう(0.74)
✔フィードバック(0.73)
✔間隔学習(復習の効果)(0.71)とされています。

自己説明はこれらよりは少し劣りますが、

✔マスタリーラーニング(0.50)
✔ピアチューター(0.55)

という学習方法と同等とされます。

※マスタリーラーニングとは、学習者は一人ひとり学習ペースが違うのだから、一斉に同じ進度で学習を進めようとすれば無理が出る。一人ひとりが完全に学習目標をクリアしてから次の一歩に進めるように、個別学習教材を整えてマイペースで進ませる学習方法です。

※ピアチューターとは「同じような立場の人によるサポート」という意味で上級生が下級生をサポートする学習方法のようです。

自己説明学習法の効果程度は分かったと考えます。相互で教え合うなどは自己説明の効果も含まれていそうですよね。
これらを組み合わせるととても効果的な学習というものが見えてくるのではないでしょうか。

まとめ

✔自己説明の学習法は中程度の効果がある(0.55)

✔先生や教科書の説明より約2倍効果的

✔ほとんどの教科に効果がある

✔自己説明が効果的な理由は自分で説明できると理解が深まり、新たな情報が追加されやすいから

✔かかった時間(時間対効果)についてはあまり検討されていないので注意が必要

✔いくつかの問題形式や自己説明方法には注意が必要

✔マスタリーラーニングやピアチューターと同程度の効果がある

いかがでしたでしょうか?
自分で説明する学習法はいわゆるアウトプットするという作業です。
それに加えて他者が理解できるような文章を構成することが大事だと思います。

例えばブログなども自己説明の応用だと考えています。ブログでは感想などももらえますからね。

勉強した内容をブログにまとめてみるのも良いかもしれません。

テスト勉強や受験にも有効なテクニックだと思いますので、教科書など読んだ内容を積極的に自分の口で説明してみると良いかも。誰かに説明すると尚良しです。是非学習に取り入れて欲しい学習法です。

また、子どもにも何か学んだことがあったら、自分の口で説明してもらう習慣をつけると自然と効果的な学習スタイルが身に付くと思いました。

なにかの参考になれば幸いです。

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引用論文

Bisra, K., Liu, Q., Nesbit, J. C., Salimi, F., & Winne, P. H. (2018). Inducing self-explanation: A meta-analysis.

(1)Hattie, J. (2008). Visible learning: A synthesis of over 800 meta-analyses relating to achievement. routledge.

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