授業中にノートを取るならパソコンや電子機器よりも手書きが良い:メタアナ論文による科学的根拠

雑学、心理学

パソコン派?手書き派?授業中のノートの取り方はどっち

みなさんは授業や講義は何でメモやノートを作っていますか?私が中高生の時はもっぱら手書きでした。大学院ではほぼノートPCでキーボード入力しIpad proなどのタブレット、やモバイル端末、スマートフォンでノートを作っていました。

でもこれってどちらが学習や成績の効果が上がるの?といった論文を紹介します。

スポンサーリンク

授業中の効果的なノートの取り方は?メタアナリシス論文
パソコン、モバイル端末 VS 手書き

2020年にSouthern Communication Journal誌より出版されたアメリカのウィスコンシン大学の研究です

メタアナリシスという研究デザイン

この論文はMeta-Analysisというデザインの論文です。
簡単に言ってしまうと沢山の同じような個別の論文をまとめて、結果や効果を考察するスタイルの論文です。
沢山の研究を一つにして解析するためエビデンスレベル、科学的根拠の質は高いと言われています。
詳しくはWikipedia 参照 メタアナリシス(meta-analysis)とは

どうやって論文を採用したの?

2020年3月の時に電子データベースのERIC、Psych INFO、Medlineなどで検索をかけた論文を対象としました。
検索キーワードは”大学でのノート作成 “と “電子ノート作成”、”手書き”、”ノートパソコン”、”携帯電話”、”コンピュータ “を組み合わせて探しました。

144論文が見つかり、対象となった人数は3000人以上になります。

手書きのノートの方が有利だった!

結果は以下の通りでした。

手書きノートVSパソコンの研究結果✔手書きノートの場合と比べて、電子ノートの場合は平均点以下の成績になる学生が25%増加していることが示されました。

 

自然科学(数学、物理、化学など)手書きのノートで取った場合、成績が上がることが分かりました。

➡他の学科(心理学、教育学、コミュニケーション学など)と比べ成績が上がったようです。おそらく複雑な公式や化学式を模写する際に手書きの方が楽で効率的なのでしょう

 

✔低学年や高学年でも電子ノートは良くない成績でしたが、高学年になるにつれて電子ノートでも成績は関係しなくなっていました。有意ではあるものの効果が小さくなっていきました。

 

手書きのノートに比べてなぜタブレット・ノートパソコンは成績が低くなる?

誘惑が多すぎて、気が散り授業に集中出来ない

ノートパソコンや電子機器は今の時代、簡単にインターネットに接続出来てFacebookやInstagram、TwitterなどのSNSやオンラインゲームなどが容易に出来てしまいますよね。また、手元のパソコンやスマートフォンにのめり込むことで心理的にも距離が生まれ、授業や話し合いに参加できなくなってしまいます。
このことが講義中の集中力を下げ、引いては成績を下げる原因と考えられているそうです。
手書きのノートは講義を聞いてノート取ることに集中できますからね。

現在の授業がタブレットやスマートフォン、パソコンに対応した授業スタイルじゃない

電子機器の普及って比較的最近で学校の講義は先生が壇上で話すスタイルがほとんどですよね?そして、黒板やパワーポイントを見せながら講義を進めていくスタイル。
これは電子機器に対応したものというよりも、手書きのノートを前提とした講義スタイルだと考えられます。
電子機器に対応した効果的な講義スタイル(今だとZoomなどの遠隔授業やいつでも視聴できる動画配信、チャットを利用したやりとり、アプリを利用した小テストを実施するなどなど…etc.)が確立出来れば、手書きのノートとの差がなくなるかもしれないですね。

パソコンでノートを取る時の生徒自身の認知的限界

電子機器に慣れていない場合やタイピングに慣れていない人は電子機器でノートを取るのは大変ですよね。講義を聴きながらノートを作成するのは結構大変でブラインドタッチなどのスキルは必須でしょう。
電子機器の扱いに気を取られて先生の話や授業に集中できなくなる可能性があります。

以上の点でパソコン・タブレットなどの電子機器が手書きのノートに勝てない理由として考えられています。

論文では、ネット環境を遮断し、授業のスタイルを工夫する必要があるよねと述べています。あるいはモバイル端末は使用禁止にするなどです。

まとめ

管理人的には電子機器が手書きのノートに比べて不利なのは気が散るのが一番の原因と考えいています。
スマホもそうですがついつい見てしまいますからね。この辺の工夫をすれば手書きのノートと変わらないのではないかと思います。
コピペやブラインドタッチ、画像などをフル活用しうまく授業にコミットすれば電子機器はノートを取るのには最適です。クラウドでデータを管理するとどこでもアクセス出来て一生ものです。インデックスもつけやすいので、以前自分が勉強して書いたノートを簡単に参照できます。
私も大学院生からoffice365のONENOTEを今でも活用しています。
大学生・大学院生以上にはパソコンがお勧めの方法だと思います。研究でも高学年になるほどモバイル端末のデメリットは減少しょうしていますからね。

しかし、高生はやはり手書きのノートをお勧めしたいです。
複雑な公式や記号、化学式などある数学、物理、化学など自然科学の分野は電子ノートでは取るのは難しいです。手書きのノート方がこれらは効率が良くストレスフリーだと考えます。

自然科学分野で電子機器は不利なのは今回の研究結果を見ても明らかですね。しかしipadをはじめsurfaceなどペン付属型のモバイル端末も台頭してきているので、自然科学分野での不利な状況は今後変わるかもしれません。
というか手書きとの融合という形に将来なっていくと思います。

今回の研究の結果は全て小~中程度の効果を認めました。
2020年時点では手書きのノートが優勢ですが、今後のモバイル端末の発達や講義スタイルの変化や授業中の使用方法の成熟によっては手書きのノートより有利になる可能性は全然あると思います。

みなさんはどのようにノートを取るでしょうか?今後の研究に期待したいですね。
参考になれば幸いです。

学習についてなどは以下の記事でも書いています。よかったら読んでみてくださいね。

引用論文

Allen, M., LeFebvre, L., LeFebvre, L., & Bourhis, J. (2020). Is the pencil mightier than the keyboard? A meta-analysis comparing the method of notetaking outcomes. Southern Communication Journal, 85(3), 143-154.

タイトルとURLをコピーしました