みなさんは嫌なことがあった時はどうしていますか?
私もですが、子どもの前では普段通り明るく振舞うという方もいるかと思います。
しかし、この子どもの前でストレスを隠そうとすると逆に子どもにとって好ましくない可能性があるようです。
親の気分に子どもはとても敏感なので感づいてしまうようです。
そして、逆に嫌な気分は隠さない方が子ども気を使わないのかもしれません。
私もこの論文をみて少し楽になりました。では詳しく解説します。
親にストレスを与えて、その後に子どもと課題をしてもらい関わりの質を見た研究
2019年にEmotion誌から報告されたワシントン州立大学の研究です。
平均40歳の親(男性48%)とその7~11歳の子ども(男性61%)104組が対象となりました。
まず、親にTrier Social Stress Test (TSST)というストレスを与えるテストをしました。
このTSSTとはこのストレス誘導法は結構有名で良く使用されるようです。
ある課題についてスピーチをしてもらい、さらに質疑応答を2人の研究者とするというものでした。しかも、この二人の研究者はネガティブな非言語的態度を取るようです。
この課題を行うことで親はとてもストレスフルな状況に置かれました。
そして、この課題が終わった後に親たちに、
✔今の気持ちは子どもの前で見せないでくださいと指示するグループ
✔いつも通り接してくださいと指示するグループ
この二つに分けました。
その後、子どもと6分間レゴブロックで指定された課題(恐竜だとか車など)の物を作ってもらいました。
これは親のサポートが無いと難しそうな課題でした。
この関わりを録画し親子の関わりの質を評価しました。
スポンサードリンク親が子どもの前でストレスを隠すと子どもの反応性や関わりの質が低下した!
結果は
子どもの前でストレスを隠すと
✔子どもはポジティブではなくなり、親子の暖かみも低く、反応性が鈍くなるという結果でした。
しかし、この結果には続きがありました。
✔お父さんがストレスを隠しても、お父さん自体は反応性が低下し子どもへのサポートが明らかに低下しました。
しかし、子どもへの反応性や温かみへの影響はありませんでした。
✔お母さんはストレスを隠すと、一見普段通りの母親と同様子どもへの反応性やサポートは変わりませんでした。
しかし、反応性は変わりませんでしたが、子どもは温かみが低いと感じていたのです。
父親と母親で子どもの反応の違いが出る理由
二つの理由が考えられているそうです。
✔一つ目は研究者は父親へのデータが足りないとしつつも、普段から父親は感情を抑制する傾向にあるので子どもはあまり気にならない可能性があるようです。
✔二つ目は子どもは母親の感情表現をより敏感に感じとるという可能性です。
これには育児におけるお母さんの役割はとても大きいため、子どもはお父さんよりはお母さんの感情を読むことが上手くなると考えられます。
まとめ
✔ストレスを子どもの前で隠すと子どもとの関係の質が低下する可能性がある
✔お父さんが隠すと子どもへの反応性や温かさ、サポートが減る。しかし、子どもへの感情的な影響はないかも
✔お母さんが隠すと子どもへの接し方は変わらないけど、子どもは敏感に察知している可能性がある
いかがでしたでしょうか?
全体的には子どもの前で普段の自分を隠すと子どもへの関わりの質が低下し、子どもにも伝わって悪影響が出る可能性があるようです。
お母さんの場合はさらに強くですかもしれませんね。
嫌なことがあっても子どもの前ではありのままの自分でいる
ことが、子どもにとって良いのかもしれませんね!
他にも子育てに関する記事を書いています。よかったら読んでくださいね
スポンサードリンク引用論文
Karnilowicz, H. R., Waters, S. F., & Mendes, W. B. (2019). Not in front of the kids: Effects of parental suppression on socialization behaviors during cooperative parent–child interactions. Emotion, 19(7), 1183.