【解説】モンテッソーリ教育とは?その効果は?早期教育の科学的根拠

【3歳~18歳】こども

今回はモンテッソーリ教育について紹介します。
保育園のホームページを見ているとモンテッソーリ教育をしていることを宣伝している園もよく見かけます。

おすすめのモンテ系おもちゃも紹介していますので良かったら読んでくださいね。

【おすすめ】自宅でモンテッソーリ教育出来るおもちゃ

初めてモンテッソーリ教育という言葉を聞いたときどういう教育なんだろう?効果あるのかな?と考えました。今回はその点について研究を参考にモンテッソーリ教育について説明したいと思います。

この記事でモンテッソーリ教育のことやその効果が分かると思います。

スポンサーリンク

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法で100年前に開発されたようです。
100年以上経った今でも時代や文化の違いを超えて世界中で支持され、現在世界140以上の国にモンテッソーリ実践園が存在しているといわれています。そしてその実践の中から世界をリードする人々が数多く育ってきています。

モンテッソーリ教育を受けた有名人は

モンテッソーリ教育を受けた有名人は
ビルゲイツ(マイクロソフト創業者)、バラクオバマ(前アメリカ合衆国大統領)、ジェフベゾス(Amazon創業者)、ラリーペイジ&セルゲイブリン(Google創業者)、マークザッカーバーグ(Facebook創業者)、ピータードラッガー(『マネジメント』著者)、ビヨンセ(歌手)、トーマスエジソン(発明家)、藤井聡太(将棋)などなどが排出されているそうです。

モンテッソーリ教育の内容

モンテッソーリ教育では、0歳から6歳までの乳幼児期を発達段階の特徴から0歳から3歳までの前期と、3歳から6歳までの後期に分けて考えています。

日本では基本的に就学前までが一般的のようです。海外では中学生までモンテッソーリ教育のプログラムがあるようですが年齢が高いとモンテッソーリ教育の効果は弱い可能性が指摘されています。

0歳から3歳までの
前期は「吸収する精神(無意識)」の時期と呼び、人生の中でもっとも吸収力が強く、その後何年かけても達成できないようなことをいとも簡単に獲得し、人間社会に「適応」していく時期です。
子どもの自己教育力を発揮させる環境として主に7つの教育環境が用意されています。

✔粗大運動の活動
✔微細運動の活動
✔日常生活の練習
✔言語教育
✔感覚教育
✔音楽
✔美術

3歳から6歳まで後期は、「意識の芽生え」の時期と呼び、前期に無意識に吸収したさまざまな事柄を、意識的に整理、秩序化していく時期です。
子どもの自己教育力を発揮させる環境として主に5つの教育分野が用意されています。

✔日常生活の練習
✔感覚教育
✔言語教育
✔算数教育
✔文化教育

以上の年齢と教育環境を中心に独自の教材で学習を進めるようです。
また、モンテッソーリ教育の活動のことを「お仕事」というようで、3時間行ってもらうことを基本としています。

この3時間の間、子どもたちはほとんど自由に、自分で、あるいは他の人と一緒に活動を選択し、自分の活動のリズムを見つけて、教室内を自由に動き回ることができます。

モンテッソーリ教育活動中の先生の役割は、教材を選ぶのが難しい子や他の子に迷惑をかけている子を指導したり、新しいことに挑戦したい子に新しい教材を紹介したり、少人数制のレッスンを行ったりすることです。何を教えるかは、子どもたちを注意深く観察した上で決定します。
そのため先生にも技術や知識が必要でモンテッソーリ教育の認定組織もあるようです。

ここまでの参考サイトと引用論文
✔公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所
✔Marshall, C. (2017). Montessori education: a review of the evidence base. npj Science of Learning, 2(1), 1-9.

モンテッソーリ教育の効果は?

次にモンテッソーリ教育の効果について何の根拠もないのに子どもに勧めるのは少し怖いですよね?悪影響もあるかもしれませんし。エビデンスを探してみました!

では、これまでの研究をもとに明らかになっている効果をこれから述べていきます

言語能力や数学能力、社会的スキルで効果がある!

2006年の研究ではモンテッソーリ教育を受けている子どもと受けていない子ども、そして5歳と12歳の2つの年齢層の子どもたち112人を、認知、学業、社会、行動などのさまざまな尺度で比較しました。

5歳児では、文字と単語の識別、音韻解読能力、算数能力、遂行する能力、社会的スキル、他人の気持ちを理解する力が有意な効果を認めました。

12歳児では、小説を書く能力や社会的スキルの測定で有意なグループ差が見られました。さらに、学校に対する気持ちを問うアンケートでは、モンテッソーリグループの子どもたちの回答は、より大きな共同体意識を感じていることを示していました。(1)

2012年の研究では3〜6歳を172人が参加でモンテッソーリ教育を受けいているクラスと通常の保育のクラスで分けて比較しました。
学年の初めと終わりの2つの時点でテストを受けました。遂行能力、読解力、算数、語彙力、社会的問題解決力の測定において、有意に大きな向上を示しました。

さらに、子どもたちがモンテッソーリの教材にどの程度関わっているかによって、実行機能、読解力、語彙力の向上が有意に予測されました。つまり、モンテッソーリを忠実に受けいている子どもほど効果が高い結果だったようです。(2)

2016年の研究ではモンテッソーリ教育を行っている3つの教室の3〜6歳の52人の子どもたちを対象にしました。2つの教室からモンテッソーリ以外の教材を撤去しました。4ヶ月後、子どもたちは再テストを受けました。モンテッソーリ以外の教材が取り除かれた教室の子どもたちは、読解の速さと遂行能力のテストで、変更のない教室の子どもたちよりも有意に大きな成果を上げた。語彙力、社会的知識、社会的スキルは変わりありませんでした。(3)

以上のように様々な研究で言語能力や言語能力、数学能力、社会的スキルに一定の効果があるようです。

モンテッソーリ教育は創造性を向上させる!

2008年の研究では、7歳から12歳の子供たちを対象に、創造性のさまざまな側面を刺激する5つの課題を縦断的にテスト
モンテッソーリ教育を受けている学校の生徒40人と、従来の学校の生徒119人で構成され、2年連続でテストが行われました。
発展的思考テストでは、(1)段ボール箱の変わった使い方を考える、(2)何の変哲もない象のおもちゃをもっと面白くするアイデアを考える、(3)平行線のペアからできるだけ多くの絵を描く、などの課題がありました。
統合的思考テストでは、(1)与えられたタイトルに基づいて物語を作る、(2)6つの特定の形を取り入れた絵を作る、などの課題がありました。
モンテッソーリ教育を受けた子どもたちは、従来の教育を受けた子どもたちよりも、どちらも高いスコアを出しました。
このことから創造性に一定の効果があると考えられます。(4)

手や指の微細運動に効果あり

2015年のモンテッソーリ幼稚園のプログラムを受けた5歳児50人と、通常保育の5歳児50人を対象に手や指の微細運動の発達を比較しました。
子どもたちは学年の初めにテストを受け、8カ月後に再度同じテストを受けました。
モンテッソーリ教育を受けたグループの生徒は、8ヶ月後の手先の器用さのテストで正確さ、スピードが有意に良い結果でした。(5)

モンテッソーリ教育は内発的動機づけが高まる

内発的動機づけとは、お金のためでもない、怒られないためでもない、その活動がしたいからするという動機づけです。 内発的動機づけが高い人は、自らが主体となって目標達成のために努力、成長し続けるので、学業や仕事の面でも成功しやすいでしょう。

中学生の約290名を対象にした比較研究ではモンテッソーリ教育を受けている生徒は、内発的な動機付けが高いと報告されています。(6)

モンテッソーリ教育の否定的な研究

モンテッソーリ教育の否定的な研究も存在しましたので紹介します。

中学生くらいの年齢が上がるとモンテッソーリ教育の効果は弱いかもしれない

中学生以降にモンテッソーリ教育を取り入れても効果が弱いか一部はマイナスの結果も報告されています。モンテッソーリ教育は早期教育や小さい子向きかもしれませんね

2005年の研究ではモンテッソーリ教育と伝統的な教育プログラムに参加した都市部の小学4年生(n=291)と中学2年生(n=252)の生徒543人の学業成績を比較
この研究では、4年生では言語、数学には差がなく中学2年生では数学には差がなくて、言語のスコアが低い結果でした。(7)

モンテッソーリ教育の効果は持続しないかもしれない

モンテッソーリ教室と従来の教室の違いが実際にはそれほど大きくない場合もあり
2016年の研究では、幼稚園児150人を対象にした研究では、モンテッソーリ教育を受けた幼稚園の子どもたちが、数学の理解において、モンテッソーリ教育を受けていない子どもたちに比べて優位性を持っていたのですが、2年後のテストでは他の生徒と算数の成績は変わらなくなった報告と報告されています。(8)

しかし、就学前から5年生まで通うと数学に関しては一定の効果はあるかもしれません。
2007年の研究ではモンテッソーリプログラムに就学前から5年生まで通っていた子どもたちの高校生活の成績を評価した研究では、モンテッソーリ教育を受けたグループは、数学・科学の因子に関連するテストのスコアが有意に高かったですが、英語や社会科とでは、差は見られなかった。(9)

モンテッソーリ教育は本当に効果があるのか?

誰もが一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?世界一の科学雑誌と言っても過言ではないかもしれない、ネイチャーの2017年のレビューでは

世界一の科学雑誌の結論は✔縦断的なデザインの研究が少ない。
✔質の高い比較試験がない。
✔モンテッソーリ教育をうけた子供たちが特定の指標で高いスコアを出したとしても、それはモンテッソーリ教育のどの行為なのかが不明である。

と述べており、まだまだモンテッソーリ教育の科学的根拠は弱いと述べています。(10)

ですが、世界的一の科学雑誌ネイチャーに載るくらい、モンテッソーリ教育は世間の関心を集める重要なテーマだという事は言えますね。

まとめ

モンテッソーリ教育は
✔言語能力や数学能力、社会的スキルで効果がある!
✔創造性を向上させる!
✔手や指の微細運動に効果あり
✔内発的動機づけが高まる
✔中学生くらいの年齢が上がるとモンテッソーリ教育の効果は弱いかもしれない
✔モンテッソーリ教育の効果は持続しないかもしれない

いかがでしたでしょうか?モンテッソーリ教育はいろいろな可能性を秘めながらもまだまだ科学的根拠は弱いようです。

ですが、小学生以下の子どもには悪影響はあまり報告されておらず、早期教育に導入することはお勧めできます。
今後の質の高い研究に期待しましょう。

おすすめのモンテ系おもちゃも紹介していますので良かったら読んでくださいね。

早期教育の種類にSTEM教育やSTEAM教育も有名ですよね。下記の記事でまとめていますので良かったら読んでくださいね。

【解説】STEM教育とは?幼児からの早期教育にもメリットがある!科学的根拠・エビデンス
STEM教育って効果あるの?エビデンスあるの?なんとなく子どもに学ばせるのは不安ですよね。STEM教育の効果についての研究やエビデンスをメタアナ論文から深堀して紹介します。この記事でSTEM教育の効果や内容が分かると思います。

他にも教育に関する記事を書いています。良かったら読んでくださいね。

保育園にすぐに預けても子どもにとってメリットがある
保育園に早く預けると、子どもが可哀想という話も聞いたりします。 保育園に預けることにより、親と一緒にいることによるメリットや子どもが寂しく感じるなどのデメリットはあるかもしれません。 しかし、保育園に子どもを預けるメリットもあるようです。今回そのメリットについて紹介します。
賢さは生まれつき?遺伝子と家庭環境が学問的成功の予測因子になる。科学的根拠
賢さは生まれつきでしょうか?今回は遺伝子レベルで分かりつつある、子供の学問的成功の予測因子は何か?というテーマで面白い論文があったので紹介します。
先生が生徒の能力をどう思っているか(生まれつき?努力で成長する?など)が学習へのモチベーションや成績を変えるかも!科学的根拠
先生の態度って学習する上では結構重要ですよね。どのような態度や声かけが好ましいか?について研究した論文を紹介します。 また、教師がどう思っているかによって生徒のモチベーションや成績が変わる可能性があります。

引用論文

(1)Lillard, A., & Else-Quest, N. (2006). The early years: Evaluating Montessori education. Science, 313(5795), 1893-1894.

(2)Lillard A. S. (2012). Preschool children’s development in classic Montessori, supplemented Montessori, and conventional programs. Journal of school psychology, 50(3), 379–401.

(3)Lillard, A. S., & Heise, M. J. (2016). An intervention study: Removing supplemented materials from Montessori classrooms associated with better child outcomes. Journal of Montessori Research, 2(1), 16-26.

(4)Besançon, M., & Lubart, T. (2008). Differences in the development of creative competencies in children schooled in diverse learning environments. Learning and individual differences, 18(4), 381-389.

(5)Bhatia, P., Davis, A., & Shamas-Brandt, E. (2015). Educational gymnastics: The effectiveness of Montessori practical life activities in developing fine motor skills in kindergartners. Early Education and Development, 26(4), 594-607.

(6)Rathunde, K., & Csikszentmihalyi, M. (2005). Middle school students’ motivation and quality of experience: A comparison of Montessori and traditional school environments. American journal of education, 111(3), 341-371.

(7)Lopata, C., Wallace, N. V., & Finn, K. V. (2005). Comparison of academic achievement between Montessori and traditional education programs. Journal of research in childhood education, 20(1), 5-13.

(8)Laski, E. V., Vasilyeva, M., & Schiffman, J. (2016). Longitudinal comparison of Montessori versus non-Montessori students’ place-value and arithmetic knowledge. Journal of Montessori Research, 2(1), 1-15.

(9)Dohrmann, K. R., Nishida, T. K., Gartner, A., Lipsky, D. K., & Grimm, K. J. (2007). High school outcomes for students in a public Montessori program. Journal of research in childhood education, 22(2), 205-217.

(10)Marshall, C. (2017). Montessori education: a review of the evidence base. npj Science of Learning, 2(1), 1-9.

タイトルとURLをコピーしました