専門用語とはどの業界でもありますよね。
私もついつい自分の領域ではない人にも専門用語を使ってしますことがあります。
難しい言葉の言い回しや専門用語を多用する人は自分の地位が低いため、聞き手に専門用語を用いて話すことで、その領域のことを良く知っていると思ってもらい低い地位を補う目的で使用する傾向があるようです。
つまり、専門用語を使いまくる人の特徴は地位が低い人が多いそうです。
専門用語を多用している人は少し気を付けた方が良いかもしれません。
ちなみに専門用語のことを海外ではジャーゴン(jargon)と言うそうです。
6500もの論文を分析して分かったこと
低い地位の大学の論文タイトルは専門用語や難しい言葉が多かった!
2020年Organizational Behavior and Human Decision Processes誌に報告されたアメリカコロンビア大学の研究です。
6500本の論文と大学ランキングを掛け合わせて分析した結果
64956本の論文とその著者の所属する大学や学位を調べました。
また、大学ランキングであるUSニューズ&ワールド・レポート(リンク:US News and World Reports)を参考に上位200校、100校、50校と筆者のランキングを比較し、専門用語の数や言語的複雑さを調べました。
✔すべての解析で一貫した結果がでました。
✔アクロニム(acronym)=頭字語の使用も有意に多かった。
アクロニウムとは
アクロニム(acronym)=頭字語
連なったアルファベットを通常の単語と同じように発音して読むもの。例: AIDS(エイズ)、OPEC(オペック)、NATO(ナトー)など。
という結果でした。
地位が低いと感じた人は専門用語を多用するかどうか実際に実験した!
さらに今回の研究では実際に人に試して検証も行っています。
MBA1年生に発表の場で高い地位や低い地位に操作して原稿を選ばせる実験
MBAプログラムに入学した5196名の学生(平均27.68歳、男性は56.83%)を対象に行いました。
参加者は、商品についてのプレゼンテーションの場を設けられ、低い地位、同じ地位、高い地位のうち、1つに無作為に割り付けられました。
具体的な地位の操作は、プレゼンテーションの他の人の地位やどの立場にある人かを伝えました。
低い地位にするグループは、他の発表者は既にMBAを卒業し企業している人や活躍している人達ですと伝えられました。
同じ地位にするグループは、他の発表者はMBA1年目(対象者と同じ境遇)の人たちですと伝えられました。
高い地位にするグループは、他の発表者はMBAには通ったことない普通の大学生の人たちですと伝えられました。
そして対象者には二つパターンの原稿が配られました。
✔専門用語が沢山書いてある原稿用紙
✔一般の人でも分かりやすい内容の原稿用紙
この二つのパターンのどちらかを選んでプレゼンテーションしてもらいました。
✔地位の高い人は29%でした。
✔同じ地位の人は32%でした。
他にもいろんなパターンで実験をしたが結果は同じだった。
研究者は他にも6つほど実験をしました。
会議や法律用語なども地位が低いと感じた人々は専門用語を多用することが多いとう一貫した結果が出たそうです。
なぜ地位が低いと感じる人は専門用語を使いたがるのか?
相対的に地位の低い人は、聞き手が自分をどのように思っているかを気にする=社会的地位を気にする傾向があるため、専門用語や難しい言葉を使ってしまうと考えられています。
逆に地位の高い人は社会的地位をあまり気にせず、聞き手が理解できるように分かりやすい言葉を使うと考えられています。
言われてみればそうですよね。
日本では東大など社会的地位が高い大学生や社長などは周りの評価よりも理解してもらうことの方を重要だと考えると思います。
一方地位の低い人は賢くないと思われることやレベルが低いと思われることに対し無意識的に敏感になって、ついつい難しい言葉を使ってしまうのかもしれないですね。
面白いのは東大生でもハーバードなどと競争したら専門用語を使う可能性があるということですね。(東大の地位が低いわけではないと思いますが、例えとしてです)
専門用語の使用頻度は逆U字の関係である
全くの初心者は専門用語を使えないでしょう。その後勉強をして徐々に専門用語を使いだし、地位が高くなるにつれて難しい専門用語を避けて分かりやすい言葉を使う傾向にあります。
専門用語を使うと良くないの?デメリットが多い!
専門用語を多用することにより広範囲なコミュニケーションに悪影響を与える可能性が指摘されています。そして、聞き手だけでなく話し手の両方に悪影響を与えることが指摘されています。
当然ですね、専門用語や業界用語を使われても、一般の人には理解できませんから。
また研究で流暢なメッセージと比較して、流暢でないメッセージの著者は好感度が低く、知的ではないと判断されることも分かってきているようです。
業界知識の豊富な投資家は、不必要な専門用語を多用したビジネスモデルの説明に投資する可能性が低いことも分かっているそうです。
まとめると専門用語の多用は聞き手に伝わりにくく悪影響が多そうです。
他の研究では、より広く社会的に受け入れられている言葉で話す方が、聴衆からの信頼性が高いという結果も出ているそうです。
仕事中やそれ以外でも専門用語の使い方には注意していきたいですね。
スポンサードリンク今回の内容のまとめ
✔地位の低い人は専門用語を多用する傾向が分かりました。
また、AIDSやOPECなどの頭字語も多用する傾向がありました。
✔実際に人を対象に実験した結果、地位の引く人はプレゼンや会議でも専門用語を多用しました。
これは法律関係など色んな分野で一貫した結果でした。
自分もついつい専門用語を使う時があるので気を付けたいと思います。
何かの参考になれば幸いです
以下にも教育や心理学系の記事を書いています。良かったら読んでくださいね。
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