家族の食事環境の質が良いと子どもへのメリットは大きい!楽しい食事をするべき

【3歳~18歳】こども
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前回は家族一緒に食事をとる頻度が多いと様々なメリットがある論文を紹介しました。
週三回以上家族と一緒に食事をすることで乱れた肥満を予防し偏食を減らし、健康的な食事をしやすくなるなどです。詳細は以下の記事を参照してくださいね。

しかし、家族と食事環境の質についてはあまり言及されることはありません。

食事中に両親がずっと喧嘩している状況や怒られていてばかりだと食事の質は低いものになりますよね
食事環境の質が高いとどうなるか気になりませんか?

今回は食事の質を調査したユニークな研究論文を紹介します。

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研究内容

家族との食事が良い子供たちは、長い期間に渡って物理的および精神的な健康上のメリットを得る可能性が高いという結論された研究です。
2017年にThe Journal of Developmental & Behavioral Pediatricsから出版されたカナダの研究です。

対象者

1997年と1998年の間に生まれたケベック州の子供たち1492人を対象にしました。

調査内容

子どもが6歳のとき家族の食事環境の質について調査しました。
10歳の時にも両親、教師、子供自身が生活習慣や身体面、学力面、精神面での状況について答えてもらいました。

6歳の時

子どもに家族の食事環境の質について次の5つの項目を調べました。

  1. 食事の時間は誰にとっても楽しいかどうか
  2. 食事の時間は話す機会であるか
  3. お互いに打ち明けているか
  4. 自分が受け入れられていると感じているか
  5. 家族には悪い感情が多いか

そして、両親にも子どもの答えた意見に対して同意するかを5段階で聞きました。
この同意できない点数が多いほど、家族の食事環境の質が悪いことを示しています。逆に同意できる点数が高ければ食事環境の質は良いと言えます。

10歳の時

両親から以下の事を聞きました。

✔他の子どもと比較した子どもの体力
✔ジュースの摂取頻度について
✔両親自身の生活、社会状況について

教師から

クラスメートと比較して、読解力や数学の成績などを聞きました。
10歳の子どもは以下の4種類の質問に答えてもらいました。
1.身体的攻撃性(よく喧嘩をする、他人を物理的に攻撃する、他人を殴ると脅す、いじ
めるように勧める、反対されると攻撃的に反応するなど)
2.反抗的行動(反抗する、反省しない、かんしゃくを起こす、すぐに怒るなど)
3.非攻撃的非行(自分の物を壊す、家の物を盗む、他人の物を壊す、嘘をつく、悪口を言
う、物を盗むなど)
4.反応的攻撃性(誰かに誤って傷つけられると怒る、何かを奪われると攻撃的に反応
する、からかわれると攻撃的に反応する、反論されると攻撃的に反応する)

結果

結果は以下のことが分かりました。

  • 子どもの気性が荒いほど、家族の食事環境の質が低い
  • 母親の抑うつ度が高いほど、家族の食事環境の質の低下
  • 母親の学歴が高いほど、家族の食事環境の質が高い
  • 家族機能障害が高いほど、家族の食事環境の質が低い
  • 家族の食事環境の質が高いほど、全身状態が良い。
  • 家族の食事環境の質が高いほど、ジュースの消費量が少ない。
また家族の食事環境の質が高いほど
✔身体的攻撃性
✔反対行動
✔非攻撃的非行
✔反応性攻撃性
これらがすべての項目が低いことが分かりました。

6歳時の家族の食事環境の質は、10歳時の身体的攻撃性、反対行動、非攻撃的非行、反応的攻撃性を予測したのです。
また、読解力や数学など学力は影響なかったそうです。

具体的には、より最適な家族の食事環境を経験した子どもたちは、後になって、頻繁に喧嘩をしたり、他人を物理的に攻撃したり、他人を殴ると脅したり、他の子どもを支配しようとしたり、何かを得るために他人を怖がらせたりすることを自己申告する可能性が低くなり、反抗的な態度を示したり、悪さをした後に反省しなかったり、すぐに怒ったりすることも少なかったようです。
また、家の中や外で物を盗んだり、破壊行為をしたり、嘘つくことが低かった。誰かが誤って自分を傷つけたり、自分から何かを奪ったり、からかわれたり矛盾したりしたときに、攻撃的に反応する可能性も低かったようです。

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まとめ

6歳の時に家族の食事環境の質が高かった場合、10歳の時には全身の状態が良く、清涼飲料水の消費量が低いことが分かりました。
また、これらの子どもたちは、10歳の時点で、身体的に攻撃的である、反対的である、非行であると報告することが少なく、社会性が向上していたようです。
まさに家族の食事が子どもの身体的・精神・社会的に長期的な影響を与えることがわかるでしょう。

研究者は論文の中で以下のように述べています。

家族で食事をすることは、一緒に過ごす時間が増え、帰属意識が高まり、コミュニケーションの機会が増えることに貢献しているようだ。
食事の質は、子どもたちの社会性を高め、建設的な社会的行動スキルを身につけることができるかもしれない。

幼い子どもたちは、身近で感情的に安全な環境の中で、直接的な社会交流、社会的な問題や日々の懸念事項についての話し合い、積極的な社会交流についての知識を得ることができる可能性があるようだ。

コミュニケーションの良好な形を経験することは、おそらく子供が家族以外の人々とより良いコミュニケーションスキル向上に役立つかもしれません。
両親との食事は長期的な子供の身体的および精神的な幸福に強い影響を持っているように思われる。

家族と食事をとることも大事ですが、食事の質も意識すると子どもにとってメリットがたくさんありそうですね。

何かの参考になれば幸いです。

引用論文

Marie-Josée H, Linda S. P. Associations Between Early Family Meal Environment Quality and Later Well-Being in School-Age Children. Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics, 2017; 1 DOI: 10.1097/DBP.0000000000000520

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