こんにちは。今回は遺伝子レベルで分かりつつある、子供の学問的成功の予測因子は何か?というテーマで面白い論文があったので紹介します。
研究で明らかになりつつある学問成功の遺伝子!
ここでいう学問的成功とは大学進学のことを指します。
親の社会的地位や裕福さは子供の教育には非常に良いことはわかりますよね。教育にお金を沢山費やせますし、余裕がある子育てができますからね。研究でもおおむね家庭環境と子供の学問的成功は相関しているようです。
さて、じゃあ遺伝子は?確かに賢い親からは賢い子どもが生まれると感覚的にはわかりますよね?その遺伝子情報が近年解明されつつあって、それを証明したものが今回の論文です。
この遺伝子は何十年もの間に双子や養子による研究の結果明らかになってきたようです。過去の研究の積み重ねが徐々に花開いたようですね。
今回の研究は2019年のDevelopmental Science誌から報告された英国ヨーク大学の研究です
Genome-wide polygenic scores (GPS)という遺伝子情報の賢さ予測スコア
ゲノムワイド解析を経てGenome-wide polygenic scores (GPS)という予測スコアが出来たようです。
簡単に言うとこのGPSが高い子はいわゆる賢い傾向がある人にになります。低い子はその逆ということでしょう。
1994年から1996年の間に英国で生まれた約5,000人の子供の家庭環境と遺伝子を調べました。
ちなみに唾液を採取して遺伝子を入手したみたいですね。すごい人数ですよね!
スポンサードリンクGPS・遺伝子と家庭環境が学問成功のカギだった!
✔良好な家庭環境で高いGPSの子供は77%が大学進学率でした。
✔悪い家庭環境で低いGPSの子供の21%との大学進学率でした。
✔悪い家庭環境で高いGPSの子どもは47%が大学進学率でした。
いかがでしょうか?
この研究結果は学業においてリスクのある子どもたちを見つけ介入しやすくする意義があるそうです。
遺伝の力も強いですが、家庭環境も大いに重要のようです!
そして家庭環境や遺伝的に恵まれなくても21%は大学に進学していることも重要ですね。逆境に強い子も確かに存在するのです。
人間生まれや環境は平等ではありませんが、決して悲観することはないと思いました。
環境的要因として、先生や他人からの態度も学習者のモチベーションに影響するよという記事を書いています。良かったら読んでくださいね。
引用論文
Sophie Stumm, Emily Smith‐Woolley, Ziada Ayorech, Andrew McMillan, Kaili Rimfeld, Philip S. Dale, Robert Plomin. Predicting educational achievement from genomic measures and socioeconomic status. Developmental Science, 2019; DOI: 10.1111/desc.12925
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